就労移行支援の期間は2年?延長・再利用の方法【2026年版】
「就労移行支援って2年で終わり? 就職できなかったらどうなるの?」
就労移行支援の利用を検討している人、すでに利用中の人が最も気にするテーマのひとつです。
結論を先に言います。
- 原則2年間。 ただし延長できる場合がある
- 再利用も可能な場合がある
- 2年で就職できなくても、次の選択肢はある
この記事では、利用期間のルール、延長の条件、期限後の進路について整理します。
利用期間の基本ルール
原則:最大2年間(24ヶ月)
就労移行支援の標準利用期間は24ヶ月です。これは障害者総合支援法の省令で定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標準利用期間 | 24ヶ月(2年間) |
| 起算日 | サービス利用開始日 |
| 延長 | 自治体の審査で認められれば最大12ヶ月(1年間) |
| 合計の最長 | 36ヶ月(3年間) |
この2年間には、体調不良で休んだ期間も含まれます。「実質的に訓練を受けた日数」ではなく、「利用開始日からの暦上の日数」でカウントされます。
つまり: 体調が不安定な時期に利用を開始すると、休んでいる間も期間が消化されてしまいます。利用開始のタイミングは慎重に判断しましょう。
延長はできる?条件と手続き
延長が認められるケース
延長は自動的に認められるものではなく、市区町村への申請と審査が必要です。以下のような場合に認められることがあります。
就職活動が具体的に進んでいる場合
- 企業の選考が進行中(面接の段階まで来ている)
- 企業実習中で、実習先からの採用が見込まれている
- 就職内定後の準備期間が必要
体調の悪化で訓練が中断した場合
- 入院や長期休養で訓練を十分に受けられなかった
- 体調が回復し、残りの期間で就職の見込みがある
特別な事情がある場合
- 離島など地理的条件で就職活動が困難
- 訓練の途中で障害が変化し、支援計画の見直しが必要だった
延長が認められにくいケース
- 2年間の大半を欠席し、訓練にほとんど参加していなかった
- 就職活動に取り組む意思が見られない
- すでに十分な訓練を受けたが、本人の希望する条件の求人がないだけ
延長の手続き
- 事業所と相談 — 延長の必要性と見込みを話し合う
- 相談支援専門員に連絡 — サービス等利用計画の変更が必要
- 市区町村に申請 — 延長申請書と、事業所からの意見書を提出
- 審査 — 自治体が延長の可否を判断(通常2〜4週間)
- 結果通知 — 延長が認められれば受給者証が更新される
重要: 延長の申請は期限が切れる前に行う必要があります。期限切れ後に「延長したい」と言っても認められません。残り3ヶ月を切ったら、延長が必要かどうかを事業所と相談してください。
再利用(2回目の利用)はできる?
原則:再利用は可能
一度就労移行支援を利用して就職した後、離職してしまった場合に再度利用することは可能です。
ただし、以下の条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 残り期間 | 過去の利用期間+今回の利用期間の合計が原則24ヶ月以内 |
| 延長を含む場合 | 延長分も含めて合計36ヶ月以内 |
| 審査 | 市区町村が「再利用が必要」と認めること |
計算例
ケース1: 1回目に18ヶ月利用して就職 → 離職 → 残り6ヶ月分を再利用できる可能性あり
ケース2: 1回目に24ヶ月フルに利用して就職 → 離職 → 原則として再利用は難しい(延長の審査を受ける必要あり)
ケース3: 1回目に12ヶ月利用した後、体調悪化で中断 → 体調回復後、残り12ヶ月を利用できる可能性あり
現場から: 再利用の可否は自治体の判断に委ねられる部分が大きいです。「前回就職できたが障害特性の理解が不十分でミスマッチが起きた」「新しい事業所でより適切な支援を受けたい」など、再利用の必要性を具体的に説明できると認められやすい傾向があります。
2年で就職できなかった場合の選択肢
2年(+延長分)で就職できなかった場合でも、「もう終わり」ではありません。以下の選択肢があります。
選択肢1:就労継続支援A型に切り替える
A型は雇用契約を結んで最低賃金以上の給料をもらいながら働ける福祉サービスです。就労移行支援で身につけたスキルを活かしながら、実際に働く経験を積めます。
選択肢2:就労継続支援B型に切り替える
B型は自分のペースで、雇用契約なしで働ける福祉サービスです。体調が安定しない場合や、もう少し準備が必要な場合に適しています。
選択肢3:ハローワークで就職活動を続ける
就労移行支援が終了しても、ハローワークの障害者窓口は引き続き利用できます。担当者がつき、求人紹介・面接対策・企業との調整をサポートしてくれます。
選択肢4:障害者向け転職エージェントを利用する
dodaチャレンジ、atGP、ランスタッドなどの障害者向け転職エージェントは、就労移行支援の利用の有無に関係なく利用できます。
選択肢5:就労定着支援を利用する(就職できた場合)
就労移行支援から就職した場合は、就労定着支援(最長3年間) を利用できます。職場での悩み、体調管理、企業との調整などを継続的にサポートしてもらえます。
2年間を有効に使うためのポイント
最初の6ヶ月:生活リズムの安定+自己理解
- 通所に慣れる(まずは週3日からでもOK)
- 自分の障害特性を理解する
- 得意なこと・苦手なことを整理する
- 体調管理の方法を確立する
7〜12ヶ月目:スキルアップ+職種の方向性を決める
- ビジネスマナー・PC操作・コミュニケーションの訓練
- 企業実習に参加して職場体験を積む
- 自分に向いている職種・業界を絞り込む
13〜18ヶ月目:就職活動の本格化
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 面接練習(障害の伝え方を含む)
- 求人への応募開始
- 必要に応じてハローワーク・転職エージェントも並行利用
19〜24ヶ月目:内定・入社準備
- 選考の追い込み
- 内定後の入社準備(企業との配慮事項の調整)
- 就労定着支援の利用手続き
重要: この計画通りにいかなくても焦る必要はありません。大切なのは「今自分がどの段階にいるか」をスタッフと共有し、計画を調整しながら進めることです。
よくある質問
Q. 利用開始を遅らせた方がいい場合はある?
はい。体調が極めて不安定で、週2〜3日の通所も難しい状態なら、まずは医療(デイケアやリワーク)で体調を安定させてから利用開始する方が、2年間を有効に使えます。
Q. 休んだ日も期間にカウントされる?
はい。利用開始日からカレンダー上の24ヶ月が期間です。欠席日は延長されません。
Q. 延長の申請はいつまでにすればいい?
期限が切れる2〜3ヶ月前までに事業所と相談を始めましょう。審査に数週間かかるため、ギリギリでは間に合わない可能性があります。
Q. 事業所を途中で変えたら期間はリセットされる?
リセットされません。事業所を変更しても、最初の事業所での利用期間は通算されます。
Q. 就労移行支援を使い切った後にA型・B型に切り替えるのに空白期間はある?
切り替えの手続きが必要なため、数週間の空白が生じることがあります。期限が近づいたら、事業所・相談支援専門員と切り替え先の検討を早めに始めてください。
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 利用期間 | 原則24ヶ月(2年間)。 休んだ日も含む |
| 延長 | 自治体の審査で最大12ヶ月延長可能。就職活動が進行中など具体的な理由が必要 |
| 再利用 | 過去の利用期間との合計が24ヶ月(延長含め36ヶ月)以内なら再利用の可能性あり |
| 期限後の選択肢 | A型・B型への切り替え、ハローワーク、転職エージェントなど複数ある |
| 有効活用のコツ | 6ヶ月ごとのフェーズを意識し、スタッフと計画を共有しながら進める |
「2年で終わり」と聞くとプレッシャーを感じますが、延長や切り替えの選択肢があることを知っておくだけで気持ちが楽になるはずです。まずは自分の目標と体調に合わせて、無理のないペースで始めてみてください。
参照元:
- 厚生労働省「障害者の就労支援について」
- 厚生労働省「障害福祉サービスの利用について」
- 障害者総合支援法施行規則
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