就労継続支援B型とは?対象者・工賃・仕事内容【2026年版】
「一般の会社で働くのはまだ不安…」「自分のペースで社会参加したい」
そんな方にとって、就労継続支援B型は大きな選択肢のひとつです。この記事では、B型がどんな場所なのか、誰が使えるのか、実際にどう利用するのかを、福祉現場で働くスタッフの視点でわかりやすく解説します。
就労継続支援B型ってどんなサービス?
就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。一般企業で働くことが難しい方に対して、支援を受けながら自分のペースで働ける場を提供します。
ポイントは2つあります。
- 雇用契約を結ばないこと。そのため、勤務時間や日数に縛られず柔軟に働ける
- 年齢制限・利用期間の制限がないこと。18歳以上なら何歳でも、必要な限り利用できる
単に作業をする場所ではなく、働くためのスキルを身につけたり、社会とのつながりを持ったりするための土台になるサービスです。
A型とはどう違う?
就労継続支援にはA型とB型があります。一番大きな違いは雇用契約を結ぶかどうかです。
| A型 | B型 | |
|---|---|---|
| 雇用契約 | あり | なし |
| 報酬 | 給料(最低賃金以上) | 工賃(最低賃金の適用なし) |
| 働き方 | 比較的長時間・定期的 | 短時間・週1日からもOK |
| 年齢制限 | 原則65歳未満 | なし |
| 労働基準法 | 適用される | 適用されない |
A型は「雇用されて働く」、B型は「福祉サービスとして働く」というイメージです。今の自分に合うのはどちらか、迷ったら市区町村の窓口や相談支援事業所に相談してみてください。
関連記事: 就労継続支援A型について知りたい方は「就労継続支援A型とは?」もあわせてご覧ください。
対象となる人
B型を利用できるのは、以下のような方です。
- 障害や難病があり、一般企業での就労が難しい方
- 就労移行支援を利用した結果、B型が適していると判断された方
- 50歳に達している方
- 障害基礎年金1級を受給している方
- 短い時間から働き始めたい方
- 休職中で復職に向けたリハビリとして利用したい方(2022年より対象)
対象となる障害の種類に制限はありません。身体障害、知的障害、精神障害(うつ病、統合失調症、発達障害など)、難病のある方が幅広く利用しています。
障害者手帳がなくても利用できる場合があります。 医師の診断書や意見書で申請可能なケースも多いので、まずは窓口に相談してみてください。
どんな仕事がある?
事業所によって作業内容はさまざまです。代表的なものを紹介します。
| 分類 | 作業例 |
|---|---|
| 軽作業 | 袋詰め、シール貼り、部品の組み立て、検品 |
| 食品関連 | パンやお菓子の製造、弁当の調理補助 |
| 清掃 | 施設や公園の清掃作業 |
| 農作業 | 野菜の栽培、収穫、出荷準備 |
| PC作業 | データ入力、チラシ作成、ウェブ更新 |
| 手工芸 | アクセサリー製作、縫製、木工 |
作業だけでなく、生活リズムの改善、コミュニケーション練習、ストレス対処法など、働くための土台づくりもサポートしてもらえます。
💡 現場から一言: 見学は複数の事業所に行くことをおすすめします。同じB型でも、雰囲気やスタッフとの相性は全然違います。「ここなら通えそう」と感じる場所を見つけるのが、長く続けるコツです。
工賃はどのくらい?
B型では雇用契約を結ばないため、報酬は「給料」ではなく**「工賃」**と呼ばれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全国平均月額 | 約17,000円(令和4年度) |
| 時給換算の目安 | 200〜300円程度 |
| 最低賃金の適用 | なし |
事業所によって工賃の差は大きく、月額数千円の事業所もあれば、3万円以上の事業所もあります。見学時に必ず確認しましょう。
工賃だけで生活費をまかなうのは難しいケースが多いため、障害年金や生活保護などと組み合わせて利用する方が一般的です。
利用するまでの流れ(5ステップ)
手続きは以下の流れで進みます。支援者がサポートしてくれるので、一人で全部やる必要はありません。
ステップ1:相談する
まずは以下のどこかに相談します。
- かかりつけ医(主治医) — B型利用について医学的な意見をもらう
- 市区町村の障害福祉窓口 — 制度の説明や事業所の情報提供を受ける
- 相談支援事業所 — サービス利用計画の作成を手伝ってくれる専門機関
ステップ2:事業所を見学・体験する
気になる事業所に連絡して見学を申し込みます。見学時にチェックしたいポイントは以下の通りです。
- 作業内容は自分にもできそうか
- スタッフや利用者の雰囲気
- 無理なく通える距離か(送迎の有無)
- 工賃はどのくらいか
- 自分の障害特性に合った配慮があるか
「ここ、いいかも」と思ったら体験利用をしてみましょう。数日間実際に通うことで、自分に合うかどうかをより確実に判断できます。
ステップ3:市区町村窓口で利用申請する
通いたい事業所が決まったら、市区町村の窓口で「障害福祉サービス受給者証」の交付申請をします。
必要なものの例:申請書、障害者手帳または医師の診断書、マイナンバーが確認できる書類、本人確認書類。
ステップ4:サービス等利用計画を作成する
相談支援専門員と一緒に、どんな支援をどのくらい利用するかの計画を作ります。自分で作成する「セルフプラン」という方法もあります。
ステップ5:受給者証が届いたら契約する
審査に通ると受給者証が届きます(数週間〜1ヶ月程度)。届いたら事業所に行って正式に利用契約を結び、利用スタートです。
利用料はかかる?
ほとんどの場合、無料です。 生活保護受給世帯・住民税非課税世帯は自己負担なし。前年の世帯収入によっては一部自己負担が発生する場合もありますが、月額上限が設定されています。
| 世帯の状況 | 月額上限 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 住民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
メリットと注意点
メリット
- 自分のペースで働ける — 「週1日・1時間」から始めてもOK。体調に合わせて調整できる
- 安心できるサポート体制 — 障害への理解があるスタッフに気軽に相談できる
- 次のステップへの土台になる — 働く自信がつき、A型や一般就労を目指す基盤にもなる
- 年齢・期間の制限がない — 長く安心して続けられる
注意点
- 工賃は低め — 全国平均は月約17,000円。工賃だけで生活するのは難しい場合が多い
- 労働者としての保護がない — 雇用契約がないため、労災保険の適用がない。事業所の傷害保険の有無を確認しておくと安心
- 事業所による差が大きい — 作業内容、雰囲気、工賃、サポートの質は事業所ごとにかなり違う。必ず見学・体験してから決める
2025年からの変更点
就労選択支援が2025年10月から原則必須化される予定です。B型を利用する前に、専門家と一緒に「自分に本当に合った働き方は何か」を考えるプロセスが追加されます。ミスマッチを防ぐための仕組みです。
よくある質問
Q. 毎日通わないといけない?
いいえ。「週1日」「1日1時間」からでも大丈夫です。体調に合わせて相談できます。ただし、事業所によっては最低利用日数のルールがある場合もあるので確認を。
Q. アルバイトと併用できる?
基本的にはできません。B型は一般就労が難しい方向けのサービスなので、アルバイトが可能であれば対象外とみなされることが多いです。
Q. 生活保護と併用できる?
可能です。ただし工賃収入に応じて保護費が調整(減額)される場合があります。
Q. 送迎はある?
無料送迎を行っている事業所が多いです。交通費の支給は基本的にありません。見学時に確認しましょう。
まとめ
- 就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに自分のペースで働ける福祉サービス
- 対象者は障害や難病があり一般就労が難しい方。手帳がなくても利用できる場合がある
- 工賃の全国平均は月約17,000円。障害年金等と組み合わせて利用する方が多い
- 利用手続きは「相談 → 見学・体験 → 申請 → 計画作成 → 契約」の5ステップ
- 事業所選びが最も重要。必ず複数見学して、自分に合う場所を探す
「働きたいけど不安…」という気持ちがあるなら、まずはお住まいの市区町村の障害福祉窓口か、かかりつけ医に相談してみてください。見学に行ってみるだけでも、具体的なイメージが湧いて気持ちが軽くなることがあります。
参照元:
- 厚生労働省「障害福祉サービスの利用について」
- 厚生労働省「障害者の就労支援について」
- 厚生労働省「令和4年度工賃(賃金)の実績について」
- 独立行政法人福祉医療機構 WAM NET
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