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就労移行支援・A型・B型の違いを比較|自分に合うのは?【2026年】

公開:2026年3月13日 更新:2026年3月13日 著者:障がいHACK編集部
専門家確認前

「就労移行支援、A型、B型…何がどう違うの?」

障害福祉サービスで「働く」に関わるサービスは主に3つ。名前が似ていて混乱しますが、目的・雇用契約の有無・収入がまったく違います。

この記事では、3つのサービスを一覧で比較し、「自分にはどれが合っているか」を判断できるようにまとめました。


3つのサービスの全体像

まず、ざっくりしたイメージから。

  • 就労移行支援 = 就職するための学校(訓練期間。収入なし)
  • 就労継続支援A型 = 支援付きの職場(雇用契約あり。給料が出る)
  • 就労継続支援B型 = 自分のペースで働ける福祉の場(雇用契約なし。工賃が出る)

一覧比較表

項目就労移行支援A型B型
目的一般企業への就職を目指す支援を受けながら雇用されて働く自分のペースで福祉的に働く
雇用契約なしありなし
収入なし(訓練期間)給料(最低賃金以上)工賃(最低賃金の適用なし)
平均月収0円約84,000円約17,000円
利用期間原則2年(延長あり)制限なし制限なし
年齢制限18〜65歳未満原則18〜65歳未満なし
労働基準法適用なし適用あり適用なし
社会保険なし条件次第で加入可能なし
通所頻度の目安週4〜5日週3〜5日週1日〜OK
アルバイト併用原則不可原則不可原則不可
利用料ほとんどの場合0円ほとんどの場合0円ほとんどの場合0円
一般就労への移行率約57%約22〜26%約10%

それぞれの詳しい解説

就労移行支援:「就職するためのトレーニング期間」

就労移行支援は、一般企業への就職を目標にしたトレーニングの場です。

やること: ビジネスマナー、PC操作、コミュニケーション訓練、面接練習、企業実習、履歴書作成など

特徴:

  • 働いて収入を得る場ではない(訓練に専念する期間)
  • 2年間の期限があるため、計画的に進める必要がある
  • 事業所によって得意分野が異なる(IT特化、障害別コースなど)
  • 就職率は事業所ごとに大きな差がある(30%以下〜80%以上)

向いている人:

  • 一般企業への就職を本気で目指している人
  • 自分の障害特性を理解し、「配慮があればこう働ける」と説明できるようになりたい人
  • ブランクが長く、働く基礎体力や習慣を取り戻したい人

→ 詳しくは 就労移行支援は「意味ない」って本当? → 費用について 就労移行支援の利用料・費用 → 期間について 就労移行支援は2年で終わり?


就労継続支援A型:「支援付きで雇用されて働く」

A型は事業所と雇用契約を結んで働きます。最低賃金以上の給料が保障される点が最大の特徴。

やること: データ入力、カフェ運営、清掃、食品製造、Web制作補助、梱包・検品など

特徴:

  • 雇用契約があるため、労働基準法が適用される(労働時間・休憩・休日のルールあり)
  • 全国平均月収は約84,000円(B型の約5倍)
  • 安定した出勤が求められる(「今日は行きたくない」は基本的に通用しない)
  • 一般就労へのステップになりうる(移行率は約22〜26%)

向いている人:

  • 支援を受けながらも、安定した収入がほしい人
  • 週3〜5日の定期的な通所ができる体力・体調がある人
  • いきなり一般企業は不安だが、雇用される経験を積みたい人

→ 詳しくは 就労継続支援A型とは?


就労継続支援B型:「自分のペースで福祉的に働く」

B型は雇用契約を結ばず、福祉サービスとして働きます。自分のペースで参加でき、もっとも柔軟性が高い。

やること: 軽作業(袋詰め・シール貼り)、パン・お菓子製造、清掃、農作業、手工芸など

特徴:

  • 雇用契約がなく、「週1日・1時間」からでもOK
  • 全国平均工賃は月約17,000円
  • 年齢制限・利用期間の制限がない
  • 体調に合わせて通所日数を調整しやすい
  • 労働基準法の適用がないため、労災保険の対象外(事業所の傷害保険を要確認)

向いている人:

  • 体調が安定しない日が多く、自分のペースで働きたい人
  • まずは「毎日外に出る」「人と関わる」から始めたい人
  • 長期的に焦らず社会参加を続けたい人
  • すでに障害年金や生活保護を受給していて、少しでも活動の場がほしい人

→ 詳しくは 就労継続支援B型とは? → 工賃について B型の工賃ガイド


「自分にはどれが合う?」判断フローチャート

以下の質問に答えていくと、自分に合ったサービスの目安がわかります。

Q1. 一般企業への就職を目指したい?

  • → はい → Q2へ
  • → いいえ(今は考えていない)→ Q4へ

Q2. 週4〜5日、安定して通所できる体調がある?

  • → はい → 就労移行支援がおすすめ
  • → いいえ → Q3へ

Q3. まずは雇用されて安定収入を得たい?

  • → はい → A型で働きながら一般就労を視野に入れる
  • → いいえ → B型で体調を安定させてから次のステップへ

Q4. 週3日以上、安定して通所できる?

  • → はい → A型で安定収入を得る
  • → いいえ → B型で自分のペースで始める

注意: これはあくまで目安です。実際には体調・生活状況・目標・地域の事業所の状況によって最適な選択は変わります。迷ったら市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所に相談してください。


3つのサービスの組み合わせ・切り替え

3つのサービスは固定ではなく、状況に合わせて切り替えることが可能です。

パターン流れ
B型 → A型 → 一般就労体調安定 → 雇用経験 → 就職
B型 → 就労移行支援 → 一般就労体調安定 → 訓練 → 就職
就労移行支援 → A型2年で就職できず → 雇用経験を積む
就労移行支援 → B型体調が安定しなかった → ペースを落とす
A型 → 一般就労支援付き雇用 → 一般企業へステップアップ
一般就労 → 就労移行支援(再利用)離職 → 訓練し直して再就職

「一度決めたら変えられない」ということはありません。 自分の状態に合わせてステップアップ・ステップダウンすることは、むしろ健全な選択です。


2025年10月から始まる「就労選択支援」

2025年10月から、就労選択支援という新しいサービスが開始される予定です。これは、就労移行支援・A型・B型のいずれかを利用する前に、「自分に合った働き方は何か」を専門家と一緒に考えるサービスです。

就労選択支援でやること:

  • 自分の強み・弱みの整理
  • 就労に必要な支援の明確化
  • どのサービスが合っているかのアセスメント(評価)

「どれを選べばいいかわからない」という悩みを制度的に解決する仕組みとして期待されています。


よくある質問

Q. 就労移行支援とA型を同時に利用できる?

できません。同時に利用できるのはいずれか1つのみ。ただし、切り替えて順番に利用することは可能です。

Q. B型に通いながらA型の見学はできる?

はい、見学は可能です。A型への切り替えを検討している場合は、事前にB型の事業所スタッフに相談しておくとスムーズです。

Q. 一般就労した後に「やっぱり無理」となったらまた使える?

はい。離職後にA型・B型を利用することは可能です。就労移行支援の再利用も、残り期間があれば可能です。

Q. 3つのサービス以外の選択肢はある?

障害者雇用で直接就職する方法(ハローワーク・転職エージェント経由)もあります。福祉サービスを介さずに就職する方が合っている方もいます。

Q. A型事業所からB型への移行を勧められたけど、応じるべき?

最近の傾向として、A型事業所の経営が厳しくなり、B型を併設するケースが増えています。A型の利用者さんに対して「B型に移らないか」と事業所側から提案されるケースも実際にあります。これは2024年の報酬改定でA型の基本報酬が厳格化された影響です。「A型に通っていたのに、いつの間にかB型に移されていた」ということがないよう、事業所からの提案内容はしっかり確認してください。


まとめ

サービス一言で言うと月収の目安期間制限
就労移行支援就職のための訓練校0円2年(延長あり)
A型支援付き雇用約84,000円なし
B型自分のペースで福祉的に働く約17,000円なし

迷ったときのアクション:

  1. 市区町村の障害福祉窓口に相談する
  2. 気になる事業所を複数見学する
  3. 2025年10月以降は就労選択支援を利用する

「正解」はひとつではなく、今の自分の状態に合った選択をすることが大切です。状況が変わったら切り替えることもできるので、まずは一歩を踏み出してみてください。


参照元:

ご注意:この記事の情報は 2026年3月13日 時点のものです。制度の内容は自治体によって異なる場合があります。最新情報は各自治体の窓口にてご確認ください。
障がいHACK編集部
障がいHACK編集部 編集長 TOMI
障がい者グループホームで働きながら、福祉制度・就労支援・暮らしの情報を発信しています。

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