就労移行支援の費用はいくら?自己負担・交通費・昼食費【2026年】
「就労移行支援って、お金かかるの?」
結論から言うと、利用者の9割以上が無料で利用しています。 ただし「完全に0円」かどうかは世帯収入によって変わるし、交通費や昼食費など”見えにくいコスト”もあります。
この記事では、就労移行支援にかかるお金の全体像を整理します。「思ったより出費がかさんだ…」とならないために、事前に確認しておきましょう。
利用料の基本:「1割負担」だけど実質無料が多い
就労移行支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。費用はサービス全体の1割が自己負担(残り9割は国・自治体が負担)ですが、さらに月額の自己負担上限額が設定されています。
世帯収入別の月額上限
| 世帯の区分 | 月額上限 | 対象の目安 |
|---|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 | 生活保護を受けている方 |
| 低所得(住民税非課税世帯) | 0円 | 本人の収入が概ね年100万円以下 |
| 一般1(市町村民税課税・所得割16万円未満) | 9,300円 | 世帯収入が概ね年600万円以下 |
| 一般2(上記以外) | 37,200円 | 世帯収入が概ね年600万円超 |
「世帯」の範囲が重要です。 18歳以上の障害者の場合、「世帯」=「本人+配偶者」のみ。親の収入は含まれません。 実家暮らしでも本人に収入がなければ「低所得」に該当し、自己負担0円になるケースが多いです。
つまり: 障害年金のみ受給、または無収入の方は、ほぼ確実に0円で利用できます。
利用料以外にかかる費用
利用料が0円でも、以下の費用は自分で負担する必要があります。
交通費
就労移行支援は通所型のサービスなので、事業所まで通う交通費がかかります。
| 交通費の補助 | 内容 |
|---|---|
| 事業所の補助 | 月1〜2万円程度の交通費補助を出す事業所がある(Cocorport等) |
| 自治体の補助 | 通所交通費の助成制度がある自治体もある |
| 送迎 | 無料送迎を行っている事業所もある |
事業所と自治体の両方に確認するのがベスト。交通費の差だけで月1〜2万円変わることもあるので、見学時に必ず聞いてください。
昼食費
通所中の昼食は自己負担が基本ですが、事業所によって対応が異なります。
| パターン | 内容 |
|---|---|
| 昼食補助あり | 事業所がランチを無料〜数百円で提供(Cocorport等) |
| 弁当注文制 | 事業所が弁当業者と提携。1食300〜500円程度 |
| 各自持参 | 弁当持参またはコンビニ等で購入 |
診断書の費用
利用申請時に医師の診断書や意見書が必要な場合、文書作成料(3,000〜10,000円程度) がかかります。これは医療機関ごとに異なるので、事前に確認を。
利用中の生活費はどうする?
就労移行支援の最大の悩みは「通っている間は収入がない」こと。訓練期間であり、工賃や給料は出ません。原則としてアルバイトも禁止です。
収入を確保する方法
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| 障害年金 | 障害基礎年金2級で月約68,000円。最も一般的な収入源 |
| 失業保険(雇用保険の基本手当) | 離職後に受給できる。就労移行支援の通所中も受給可能 |
| 生活保護 | 収入が最低生活費を下回る場合に利用可能。就労移行支援との併用もOK |
| 障害者手帳による各種割引 | 電車・バス・公共施設・NHK受信料・携帯料金などの割引 |
| 自立支援医療 | 精神科の通院医療費が1割負担になる制度 |
ポイント: 「お金がないから就労移行支援を使えない」と諦める前に、使える制度を全部洗い出してください。相談支援事業所や市区町村の窓口で、自分が使える制度を確認できます。
失業保険と就労移行支援の併用
前職で雇用保険に加入していた方は、失業保険を受給しながら就労移行支援に通所できます。 ハローワークに「就労移行支援を利用する」と伝えた上で、求職活動の実績として認めてもらえる場合があります。
ただし、ハローワークの判断や地域によって対応が異なるため、事前にハローワークに確認してください。
実際にいくらかかる?シミュレーション
ケース1:障害年金2級・実家暮らし・住民税非課税
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 利用料 | 0円 |
| 交通費 | 0円(送迎あり) |
| 昼食費 | 0円(事業所の補助あり) |
| 合計 | 0円 |
ケース2:障害年金2級・一人暮らし・住民税非課税
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 利用料 | 0円 |
| 交通費 | 10,000円(自治体補助で半額) |
| 昼食費 | 8,000円(弁当持参+たまに購入) |
| 合計 | 約18,000円 |
ケース3:配偶者の扶養・世帯課税
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 利用料 | 最大9,300円 |
| 交通費 | 15,000円 |
| 昼食費 | 10,000円 |
| 合計 | 約34,300円 |
費用を抑えるためのチェックリスト
見学時・利用申請時に以下を確認しておくと、想定外の出費を防げます。
事業所に確認すること:
- 交通費の補助はあるか(月額いくらまで)
- 昼食の補助・提供はあるか
- 送迎はあるか
- テキスト代など追加費用はないか
自治体に確認すること:
- 通所交通費の助成制度はあるか
- 自己負担の区分(上限額はいくらか)
- 障害者手帳で使える割引一覧
ハローワークに確認すること(前職がある方):
- 失業保険の受給資格はあるか
- 就労移行支援通所中も受給できるか
よくある質問
Q. 途中で辞めたら違約金はかかる?
かかりません。就労移行支援は福祉サービスなので、違約金や解約金は一切ありません。辞めたい場合はスタッフに伝えるだけでOKです。
Q. 親の収入で自己負担が増える?
いいえ。18歳以上の障害者の場合、「世帯」は本人と配偶者のみ。親の収入は自己負担の判定に含まれません。
Q. 障害者手帳がなくても利用できる?
はい。医師の診断書や自立支援医療受給者証で申請できるケースが多いです。まずは市区町村の窓口に相談してみてください。
Q. 利用料の支払い方法は?
自己負担がある場合は、事業所を通じて毎月請求されます。口座振替が一般的です。
Q. 2年目も費用は同じ?
はい。世帯収入の区分が変わらなければ、2年目も同じ上限額が適用されます。
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 利用料 | 9割以上の方が0円。世帯収入で決まる(親の収入は含まない) |
| 交通費 | 事業所の補助・自治体の助成・送迎を確認 |
| 昼食費 | 事業所によって無料〜自己負担。見学時に要確認 |
| 利用中の収入 | 障害年金・失業保険・生活保護で確保。アルバイトは原則不可 |
| 診断書代 | 3,000〜10,000円程度(初回のみ) |
「お金がかかるから」と利用を迷っている方は、まず自分の自己負担額がいくらになるか確認してみてください。ほとんどの場合、利用料自体は0円です。交通費・昼食費の補助がある事業所を選べば、自己負担をかなり抑えられます。
事業所の費用面の比較は、こちらの記事も参考にしてください。 → 就労移行支援おすすめ6選|選び方と比較ポイントを解説
参照元:
- 厚生労働省「障害福祉サービスの利用者負担について」
- 厚生労働省「障害者の就労支援について」
- 各自治体の障害福祉サービス利用者負担に関するお知らせ
制度改正の最新情報をLINEでお届け
友だち追加する