就労移行支援の見学で聞くべき質問リスト【2026年版】
「見学に行きたいけど、何を聞けばいいかわからない」
就労移行支援の見学を前に、こう感じる方はとても多いです。見学時間は通常1〜2時間。この限られた時間で自分に合う事業所かどうかを見極めるには、聞くべきことを事前に整理しておくことが大切です。
この記事では、福祉現場のスタッフが「利用者に絶対聞いてほしい」と思う質問を、カテゴリ別にまとめました。
まず、見学の目的を確認しよう
見学は「事業所を選ぶための情報収集」です。「断ったら申し訳ない」「良い印象を持ってもらわないと」という気持ちになりがちですが、選ぶのはあなた自身です。
遠慮なく質問してください。良い事業所ほど、具体的な質問に丁寧に答えてくれます。曖昧にはぐらかす事業所は、それ自体が判断材料になります。
カテゴリ別・見学で聞くべき質問リスト
1. 就職実績について(最重要)
就労移行支援の本来の目的は「一般就労への移行」です。就職実績は事業所の実力を示す最も客観的な指標です。
必ず聞くこと:
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「過去2年間の就職者数は何人ですか?」 在籍者数に対して何人が就職しているか確認する。厚生労働省の「就労移行支援体制加算」の要件(前年度の就職者が利用定員の5割以上)を参考にすると良い。
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「就職後の職場定着率を教えてもらえますか?」 就職できても6ヶ月・1年で離職するケースは多い。定着率が高い事業所は就労後のサポートも手厚い。
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「どんな業種・職種への就職が多いですか?」 自分が目指す仕事と合っているか確認する。「事務系に強い」「IT系に特化している」など、事業所に得意分野がある場合も多い。
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「就職者の障害種別の内訳はどうですか?」 自分と同じ障害種別の人が就職している実績があるか確認する。
💡 現場から: 「就職者数は非公開です」という事業所には注意が必要です。就職実績は事業所の信頼性の核心なので、正直に教えてくれる事業所を選びましょう。
2. プログラム・訓練内容について
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「1日のスケジュールはどうなっていますか?」 座学の時間・実習の時間・休憩の取り方など、実際の流れを確認する。
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「どんなプログラムがありますか?」 ビジネスマナー、PC操作、コミュニケーション訓練、SST(ソーシャルスキルトレーニング)など。自分に必要なスキルが学べるか確認する。
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「企業実習の機会はありますか?実習先はどんな企業ですか?」 実際の職場環境で経験を積める機会があるかどうか。実習先の企業リストや業種も確認できると良い。
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「自分のペースで進められますか?早く進みたい場合は?」 プログラムがカリキュラム固定か、個人の習熟度に合わせて柔軟か確認する。
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「就職活動のサポートはどこまでしてもらえますか?」 履歴書・職務経歴書の添削、面接練習、求人情報の提供、ハローワーク同行など具体的に確認する。
3. スタッフ体制について
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「スタッフの人数と資格を教えてください」 就労支援員、生活支援員、職業指導員などの配置状況。常勤・非常勤の内訳も聞けると良い。
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「担当制はありますか?」 担当スタッフがつくかどうか。担当が決まっていると、継続的な支援を受けやすい。
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「自分の障害についての知識や対応経験はありますか?」 発達障害、精神障害、難病など、自分の障害種別に対応した経験があるか確認する。
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「スタッフの離職率は高くないですか?」 やや聞きにくいが、スタッフが頻繁に入れ替わる事業所は支援の継続性に課題がある場合がある。
4. 通所条件・環境について
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「通所日数・時間は最低どのくらい必要ですか?」 週3日以上など最低条件がある事業所もある。体調に合わせた通所が可能か確認する。
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「体調不良で休む場合はどうすれば良いですか?」 連絡方法や柔軟に対応してもらえるかどうか。
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「送迎はありますか?最寄り駅からの距離は?」 通勤の負担を確認する。送迎がある事業所も多い。
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「昼食はどうしていますか?(持参・注文・近くで購入など)」 意外と重要な日常の確認事項。
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「利用者の年齢層・障害種別の傾向はどうですか?」 自分が溶け込めそうな雰囲気かどうかの判断材料になる。
5. 費用・手続きについて
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「利用料はかかりますか?」 基本的に所得に応じた自己負担(上限あり)だが、世帯収入によっては無料。詳細を確認する。
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「交通費の支援はありますか?」 交通費補助の有無は事業所によって異なる。
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「利用開始までどのくらいかかりますか?」 受給者証の取得から利用開始までの期間(1ヶ月程度が目安)を確認する。
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「体験利用はできますか?何日間ですか?」 多くの事業所で数日間の体験利用が可能。本格的な利用前に雰囲気を確かめられる。
6. 見学当日に目で確かめること
質問の回答だけでなく、現場の空気感も重要な判断材料です。
| チェックポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 利用者の様子 | 表情は明るいか。スタッフと自然に話せているか |
| スタッフの対応 | 利用者を名前で呼んでいるか。威圧的でないか |
| 施設の清潔さ | 整理整頓されているか。トイレや休憩スペースの状態 |
| 雰囲気 | 緊張感が強すぎないか。話しやすそうな空気か |
| 個別スペース | 集中しにくい環境ではないか。休憩できる場所があるか |
見学後のチェックリスト
見学から帰ったら、記憶が新しいうちにメモしておきましょう。
- 就職実績・定着率の数字を書き留めた
- プログラム内容が自分のニーズに合っていたか
- スタッフの印象・対応の丁寧さ
- 利用者の雰囲気
- 通所できそうな距離・時間帯か
- 費用・交通費の条件
- 「ここに通いたい」と感じたかどうか(直感も大事)
見学で気をつけたいこと
1事業所だけで決めないでください。
最低でも2〜3ヶ所の見学をおすすめします。比較することで、それぞれの事業所の特徴と自分のニーズのズレが明確になります。
また、見学で「良い印象を持ってもらおう」と無理に自分を良く見せる必要はありません。現状の体調・状況をある程度正直に話した方が、事業所側も適切な支援プランを提示しやすくなります。
よくある質問
Q. 見学を断ったらブラックリストに載る?
そんなことはありません。見学はあくまで情報収集のためのものです。合わないと感じたら遠慮なく断ってください。
Q. 見学時に障害の詳細を話す必要がある?
見学の段階では「どんな障害があるか」の大まかな説明で十分です。詳細なことは、利用を決めた後の面談で確認されます。
Q. 質問が多すぎて迷惑にならない?
むしろ良い事業所ほど、質問に丁寧に答えてくれます。質問が多い見学者は「真剣に選んでいる」と受け取られます。
Q. 複数の事業所を見学するのに時間がかかる。どうすれば効率よく回れる?
まずはウェブサイトや資料でざっくり絞り込んでから見学に行くと効率的です。相談支援事業所に相談すると、地域の事業所情報をまとめて教えてもらえる場合もあります。
まとめ
見学で確認すべき質問は大きく6つのカテゴリに分けられます。
- 就職実績(就職者数・定着率・業種)— 最も重要
- プログラム内容(訓練・実習・就活サポート)
- スタッフ体制(人数・資格・障害への理解)
- 通所条件・環境(日数・送迎・雰囲気)
- 費用・手続き(自己負担・体験利用)
- 見学当日の目視確認(利用者の様子・施設の状態)
「こんなことを聞いていいのかな」と遠慮せず、気になることはすべて聞いてください。就労移行支援は2年間利用する場です。自分に合う事業所を見つけることが、就職成功への第一歩です。
参照元:
- 厚生労働省「障害者の就労支援について」
- 厚生労働省「就労移行支援事業所の就労定着支援実施状況等について」
- 独立行政法人福祉医療機構 WAM NET
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