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就労継続支援A型とは?対象者・給料・B型との違い【2026年版】

公開:2026年3月12日 更新:2026年3月12日 著者:障がいHACK編集部
専門家確認前

「支援を受けながら、ちゃんとした給料をもらって働きたい」

そんな方にとって、就労継続支援A型は有力な選択肢です。A型は事業所と雇用契約を結んで働く福祉サービスで、最低賃金以上の給料が保障されます。この記事では、A型がどんな制度なのか、誰が使えるのか、B型や一般就労とどう違うのかをまとめました。

就労継続支援A型ってどんなサービス?

A型は障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。最大の特徴は、利用者が事業所と雇用契約を結ぶこと。つまり、あなたは事業所の「従業員」として雇われ、労働基準法が適用されます。

ポイント内容
雇用契約結ぶ(従業員として雇用される)
給料最低賃金以上が保障
労働基準法適用される(労働時間・休憩・休日のルールあり)
年齢制限原則18歳以上65歳未満
利用期間制限なし

「福祉サービスを受けながら、労働者として働く」という二つの側面を持った制度です。

A型・B型・一般就労の違い

「A型とB型って何が違うの?」「一般就労とはどう違うの?」という疑問が多いので、まとめて比較します。

A型B型一般就労
雇用契約ありなしあり
給料/工賃給料(最低賃金以上)工賃(平均月約17,000円)給料(職種による)
全国平均月収約84,000円約17,000円職種による
働き方週3〜5日、1日4〜6時間程度週1日・1時間からもOK企業の規則に沿う
年齢制限原則65歳未満なしなし
労働基準法適用適用なし適用
支援体制専門スタッフによるサポート専門スタッフによるサポート企業側の配慮が基本
一般就労への移行率約22〜26%約10%

ざっくり言うと: B型は「自分のペースで福祉サービスとして働く」、A型は「支援を受けながら雇用されて働く」、一般就労は「企業で自立して働く」。A型はその中間に位置する制度です。

関連記事: B型について詳しく知りたい方は「就労継続支援B型とは?」をご覧ください。

対象となる人

A型を利用できるのは、以下のような方です。

  • 障害や難病があり、一般企業での就労が難しいが、支援があれば雇用契約を結んで働ける
  • 就労移行支援を利用したが、就職先が見つからなかった方
  • 特別支援学校等を卒業後、就職活動をしたが就職できなかった方
  • 過去に働いた経験があるが、現在は離職中の方

対象となる障害の種類に制限はありません。身体障害、知的障害、精神障害(うつ病、統合失調症、発達障害など)、難病のある方が利用しています。

障害者手帳は必須ではありません。 医師の診断書や自立支援医療受給者証で申請できる場合もあります。まずは窓口に相談してください。

給料はどのくらい?

A型最大の魅力は最低賃金以上の給料が保障されること。

項目内容
全国平均月収約83,551円(令和4年度)
全国平均時給約947円(令和4年度)
最低賃金の適用あり

ただし、勤務時間が1日4〜6時間程度のことが多いため、一般就労のフルタイム勤務と比べると月収は低くなります。

給料の推移(過去5年)

年度平均月額平均時給
平成30年度76,887円846円
令和元年度78,975円887円
令和2年度79,625円899円
令和3年度81,645円926円
令和4年度83,551円947円

着実に上昇しています。最低賃金の引き上げに伴い、今後もさらに上がることが見込まれます。

社会保険について

  • 雇用保険・労災保険 — 基本的に加入(週20時間以上勤務の場合)
  • 厚生年金・健康保険 — 週30時間以上など条件を満たせば加入できる場合あり
  • 扶養 — 全国平均月収(約8.4万円)なら年収約100万円。多くの場合、家族の扶養内で働ける

どんな仕事がある?

A型事業所の仕事は多様化しています。

分類仕事の例
デスクワークデータ入力、文字起こし、書類整理、DM発送準備
IT・Webサイト更新補助、ECサイト運営補助、簡単なコーディング
食品製造パン・お菓子の製造、弁当の調理補助、盛り付け
手工芸アクセサリー製作、布小物の縫製、革製品加工
軽作業梱包、シール貼り、検品、ピッキング、仕分け
接客カフェ・レストランのホール、販売スタッフ
清掃オフィス・施設の清掃、ベッドメイキング
農作業野菜の栽培・収穫・出荷(農福連携)

💡 現場から一言: 事業所によって仕事内容はまったく違います。「軽作業しかない」と思い込まず、複数の事業所を見学してみてください。IT系やカフェ運営など、スキルが身につく事業所も増えています。

受けられるサポート

A型では、仕事をするだけでなく以下のようなサポートが受けられます。

個別支援計画 — あなた専用のサポートプラン。得意なこと・苦手なこと・将来の目標を踏まえて作成され、6ヶ月ごとに見直される。

スキルアップ支援 — ビジネスマナー、PC操作、コミュニケーション、報告・連絡・相談の練習など、働く上で必要なスキルを実践を通して身につけられる。

相談体制 — 仕事の悩み、人間関係、体調、生活面の困りごとまで、専門スタッフに相談できる。

一般就労への移行サポート — 希望者には履歴書作成、面接練習、求人探しなどの就職活動支援も。

就労定着支援 — A型から一般就労した後も、最長3年間サポートを受けられる。

利用するまでの流れ(5ステップ)

ステップ1:相談する

市区町村の障害福祉窓口、障害者就労支援センター、相談支援事業所、または気になるA型事業所に直接問い合わせ。

ステップ2:事業所を見学・体験する

インターネットやハローワークで候補を探し、見学を申し込む。チェックしたいポイントは以下の通り。

  • 仕事内容は自分に合いそうか
  • スタッフの対応は丁寧か
  • 無理なく通える距離か
  • 給料・交通費の条件
  • 障害特性への配慮があるか

必ず複数の事業所を見学・体験すること。 1ヶ所だけで決めるとミスマッチが起きやすい。

ステップ3:市区町村窓口で利用申請する

「障害福祉サービス受給者証」の交付を申請。必要なものは申請書、障害者手帳または医師の診断書、マイナンバー確認書類、本人確認書類など。

ステップ4:サービス等利用計画を作成する

相談支援専門員と一緒に、どんな支援をどのくらい利用するかの計画を作る。

ステップ5:受給者証が届いたら契約する

審査に通ると受給者証が届く(数週間〜1ヶ月程度)。届いたら事業所とサービス利用契約雇用契約の2つを結んで、利用スタート。

利用料はかかる?

ほとんどの場合、無料またはわずかな金額です。

世帯の状況月額上限
生活保護受給世帯0円
住民税非課税世帯0円
市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
上記以外37,200円

メリットと注意点

メリット

  • 最低賃金以上の安定収入 — B型の工賃(平均月約17,000円)と比べて約5倍
  • 労働者として法律で守られる — 労働時間、休憩、休日のルールが適用される
  • 支援を受けながらスキルアップ — 個別支援計画に基づくオーダーメイドのサポート
  • 一般就労へのステップになる — 約4人に1人が一般就労に移行
  • 生活リズムが整う — 決まった時間に通所することで規則正しい生活が定着

注意点

  • B型より勤務時間や責任が求められる — 雇用契約があるため、安定した出勤が必要。「今日は気分が乗らないから休む」は基本的にできない
  • 給料だけでは生活が厳しい場合がある — 平均月収約8.4万円。障害年金等と組み合わせる方が多い
  • 事業所による差が大きい — 仕事内容、雰囲気、サポートの質、経営状況は事業所ごとにまったく違う。過去にはA型事業所の突然の閉鎖で利用者が解雇された事例もある
  • 仕事内容が合わないリスク — 軽作業中心の事業所も多く、専門スキルを伸ばせるかは事業所次第

よくある質問

Q. A型とB型、どちらが自分に合うかわからない

迷ったら、市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所に相談してみてください。あなたの状況(体調、体力、働く意欲、希望する収入など)を聞いた上で、どちらが適しているかアドバイスしてもらえます。2025年10月からは「就労選択支援」という、自分に合った働き方を専門家と一緒に考える仕組みも始まる予定です。

Q. 通院のために定期的に休める?

はい、通院のためのお休みは取得可能です。事前に伝えておけば問題ありません。

Q. アルバイトとの併用はできる?

原則として難しいです。A型は雇用契約に基づく福祉サービスなので、別のアルバイトとの両立は想定されていません。

Q. 辞めたくなったらスムーズに辞められる?

一般の会社と同様に、退職の意思を伝えれば辞めることができます。辞めにくい状況になった場合は、相談支援専門員や労働基準監督署に相談できます。


まとめ

  • 就労継続支援A型は、雇用契約を結んで最低賃金以上の給料をもらいながら、支援を受けて働ける福祉サービス
  • 全国平均月収は約83,551円(令和4年度)。B型の約5倍
  • 対象者は障害や難病があり、支援があれば雇用契約を結んで働ける方。手帳がなくても利用できる場合がある
  • 仕事内容はデスクワークから接客、製造、農作業まで多種多様
  • 事業所選びが最も重要。 必ず複数見学して、自分に合う場所を探す

「支援を受けながら安定して働きたい」「いずれは一般就労を目指したい」という方は、まずはお住まいの市区町村の障害福祉窓口に相談するか、気になる事業所に見学を申し込んでみてください。


参照元:

ご注意:この記事の情報は 2026年3月12日 時点のものです。制度の内容は自治体によって異なる場合があります。最新情報は各自治体の窓口にてご確認ください。
障がいHACK編集部
障がいHACK編集部 編集長 TOMI
障がい者グループホームで働きながら、福祉制度・就労支援・暮らしの情報を発信しています。

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