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障害者雇用の面接|どこまで伝える?伝え方と判断基準【2026年】

公開:2026年3月12日 更新:2026年3月12日 著者:障がいHACK編集部
専門家確認前

「面接で障害のことをどこまで話せばいいんだろう」

障害者雇用で就職活動をする方が、最も悩むテーマのひとつです。詳しく話しすぎると不採用になりそうで怖い。でも隠しすぎて入社後に困ることになっても……という不安があります。

この記事では、**「何を伝えるべきか」「何は伝えなくていいか」「どう伝えるか」**を整理します。正解は一つではありませんが、判断の基準を持っておくと迷いが減ります。


大前提:「全部話す義務」はない

まず知っておいてほしいのは、障害の詳細をすべて話す法的義務はないということです。

障害者雇用促進法は、障害者手帳の有無や障害種別の確認を企業に義務づけていますが、診断名・症状の詳細・発症経緯・治療内容などをすべて開示することは求めていません。

**伝えるべき情報の基準は「仕事に必要な配慮に関すること」**です。企業が合理的配慮を提供するために必要な情報を共有するのが、障害開示の本来の目的です。


「伝えるべきこと」と「伝えなくていいこと」

伝えることが望ましい情報

情報の種類
必要な配慮「静かな環境での業務が集中しやすいです」「週1回の面談があると安心できます」
業務への影響「長時間立ち仕事は難しいです」「急な予定変更が苦手です」
得意・不得意「細かい作業は得意ですが、複数タスクの同時進行は苦手です」
体調管理の仕方「疲れを感じたら短い休憩を挟むと回復しやすいです」
通院・服薬「月1回の通院があります」「内服薬があります(副作用なし)」

伝えなくてもよい情報

  • 診断名(ただし「精神障害」「発達障害」など大まかな種別は伝えた方が配慮がしやすい)
  • 発症・診断のきっかけ・経緯
  • 過去の入院歴や治療の詳細
  • 家族の状況や家庭環境
  • 個人的な医療情報(投薬の詳細な内容など)

ポイント: 診断名を聞かれた場合でも、「精神障害者保健福祉手帳を持っています」と手帳の種別のみ答えることは可能です。ただし、「うつ病です」「ASDです」など診断名を伝えた方が、企業側が配慮をイメージしやすくなる場合もあります。状況に応じて判断してください。


開示する範囲の3つのレベル

「どこまで伝えるか」を考えるとき、以下の3段階で整理すると判断しやすくなります。

レベル1:最低限の開示(手帳の種別のみ)

「精神障害者保健福祉手帳を持っています。
業務においては〇〇の配慮をお願いできると助かります。」

診断名は伝えず、必要な配慮のみ伝える。業務への影響が少なく、必要な配慮がシンプルな場合に適している。

レベル2:障害の種別+主な特性を開示

「発達障害(ASD)の診断を受けています。
急な変更への対応が苦手なため、業務の変更がある場合は
事前に伝えていただけると助かります。
逆に、ルーティン業務や細かい確認作業は得意です。」

配慮の理由を理解してもらいやすく、入社後のミスマッチが起きにくい。最もバランスが取れた開示レベル。

レベル3:詳細な開示(症状・対処法まで)

「うつ病で療養後、現在は安定しています。
疲労が蓄積すると集中力が落ちやすいため、
週に1回程度、業務量の調整について確認の機会をいただけると、
体調を安定させながら長く働けると思っています。」

体調に波がある方や、入社後に細かい配慮が必要な方に適している。詳しく伝えることで、企業側も具体的な対応を準備しやすくなる。


「伝え方」のコツ

「できないこと」より「配慮があればできること」で話す

採用担当者が知りたいのは「この人は戦力になるか」です。ネガティブな情報を並べるより、配慮があれば何ができるかを中心に話すと印象が変わります。

Before(避けたい伝え方):

「人との会話が苦手で、電話応対ができません。複数のことを同時にやるのも無理です」

After(望ましい伝え方):

「コミュニケーションに少し時間がかかる特性があります。メールやチャットでのやり取りは得意ですし、業務の優先順位を整理してからタスクを進める方法で、これまでも安定して仕事をしてきました。電話応対については、まず担当業務に慣れてから挑戦していきたいと思っています」

「再発リスク」を聞かれたときの答え方

精神障害の方が特によく聞かれる質問です。

回答例:

「これまでの経験から、体調が崩れやすいサインを自分で把握できるようになっています。〇〇が続いたときは早めに相談・休養を取ることで、大きな再発を防げています。安定して働けている期間が〇年続いています」

実績と自己管理の方法をセットで話すと説得力が増します。

配慮のお願いは「お願い」ではなく「提案」として話す

「〇〇をしてもらわないと困ります」ではなく、 「〇〇をしていただくと、私が最大限のパフォーマンスを発揮できます」

企業にとってもメリットがある形で話すと、配慮を受け入れてもらいやすくなります。


開示・非開示のメリット・デメリット

オープン就労(障害を開示して就職)

メリットデメリット
合理的配慮を受けられる選考の段階で不利になる可能性がある
無理のない働き方で長続きしやすい障害への偏見・理解不足に出会う場合がある
体調悪化時に早めに相談しやすい給与水準が一般雇用より低い場合がある
障害年金と組み合わせやすい

クローズ就労(障害を開示せずに就職)

メリットデメリット
求人の選択肢が広い配慮を求めにくく、無理が積み重なりやすい
給与水準が高い場合がある体調悪化時に相談しにくい
障害者として扱われたくない方の希望に沿えるバレた場合のリスク(解雇事由になる場合も)

どちらが正解ということはありません。 自分の障害の重さ、必要な配慮の内容、希望する仕事、体調の安定度などを総合的に考えて判断してください。


よくある質問

Q. 「なぜ転職(休職)したのですか?」という質問への答え方は?

障害が原因であることを伝えたくない場合は、直接的な言及を避けることができます。

「体調管理に専念する時間が必要でした。現在は安定しており、長期的に働けるよう準備を整えてきました」

Q. 「障害の程度はどのくらいですか?」と聞かれたら?

手帳の等級を直接答える義務はありません。業務への影響に絞って答えるのが良いでしょう。

「業務への影響という点では、〇〇の配慮があれば安定して働けるレベルです」

Q. 面接後に障害のことを伝えた場合、内定取り消しになる?

採用後に障害を開示した場合でも、業務遂行能力に問題がなければ一方的な解雇は難しい(ただし採用時の虚偽申告が問われる場合もある)。開示のタイミングについては就労移行支援のスタッフや障害者就業・生活支援センターに相談するのが安心です。

Q. 支援者(就労移行支援スタッフなど)に同席してもらえる?

企業によっては同席を認めている場合があります。希望する場合は事前に企業に確認してください。


まとめ

  • 障害の詳細をすべて話す義務はない。伝えるべきなのは「業務に必要な配慮に関すること」
  • **「できないこと」より「配慮があればできること」**を中心に話す
  • 開示レベルは「手帳の種別のみ」「種別+特性」「詳細な症状まで」の3段階で考える
  • オープン就労・クローズ就労どちらにもメリット・デメリットがある。自分の状況に合わせて判断する
  • 迷ったときは就労移行支援スタッフや障害者就業・生活支援センターに相談する

面接は「選ばれる場」であると同時に、「自分が選ぶ場」でもあります。自分に合った配慮を提供してくれる企業かどうかを確認する機会として、前向きに臨んでください。


参照元:

ご注意:この記事の情報は 2026年3月12日 時点のものです。制度の内容は自治体によって異なる場合があります。最新情報は各自治体の窓口にてご確認ください。
障がいHACK編集部
障がいHACK編集部 編集長 TOMI
障がい者グループホームで働きながら、福祉制度・就労支援・暮らしの情報を発信しています。

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