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障害者手帳のメリット・デメリット|後悔しない?【2026年版】

公開:2026年3月15日 更新:2026年3月15日 著者:障がいHACK編集部
専門家確認前

「障害者手帳って取った方がいいの?デメリットはないの?」

当事者コミュニティで最も多い質問のひとつです。結論から言うと、経済的なメリットは大きく、デメリットとされるものの多くは誤解や思い込みです。ただし、人によっては心理的なハードルがあるのも事実。

この記事では、手帳の種類別にメリット・デメリットを整理し、「自分は取るべきか」を判断できるようにします。


障害者手帳の種類(3つ)

手帳対象有効期限
身体障害者手帳身体障害のある方なし(原則生涯有効)
精神障害者保健福祉手帳精神障害のある方2年(更新必要)
療育手帳知的障害のある方自治体による(再判定あり)

メリット一覧

1. 税金が安くなる

控除一般の障害者特別障害者(重度)
所得税の障害者控除27万円40万円
住民税の障害者控除26万円30万円
相続税の障害者控除85歳までの年数×10万円85歳までの年数×20万円

年収200万円の場合、所得税+住民税で年間約5〜8万円の節税になるケースがあります。確定申告または年末調整で「障害者控除」を申請するだけ。

2. 公共交通機関の割引

交通機関割引内容
JR(2025年4月〜)運賃50%割引(精神障害者も対象に)
私鉄(大手16社)運賃50%割引
バス各事業者による(半額〜無料)
タクシー10%割引(多くの地域)
航空券各社の障害者割引あり

→ JR割引の詳細は 精神障がい者のJR鉄道運賃割引制度

3. 公共料金・サービスの割引

サービス割引内容
NHK受信料住民税非課税世帯は全額免除
携帯電話ドコモ・au・ソフトバンクの障害者割引(月1,000〜1,900円割引)
水道料金自治体により基本料金免除あり
映画館1,000円(付添1名も同額の場合が多い)
美術館・動物園・公共施設無料〜半額

4. 就労支援サービスが使える

手帳があると、以下の就労支援サービスが利用しやすくなります。

  • 就労移行支援(一般企業への就職訓練)
  • 就労継続支援A型(雇用契約あり・最低賃金保障)
  • 就労継続支援B型(自分のペースで福祉的就労)
  • 障害者雇用枠での就職(手帳が応募条件の場合が多い)

就労移行支援・A型・B型の違いを比較

5. 障害者雇用枠で就職できる

障害者雇用枠は、手帳を持っていることが応募条件。一般枠と比べて合理的配慮が前提で、定着率が高い傾向があります。

6. 医療費が安くなる

精神障害がある方は自立支援医療(精神通院医療)を併用することで、精神科の通院医療費が3割→1割負担になります。手帳の申請と同時に手続きできる自治体が多いです。

7. その他のメリット

自動車税の減免(重度障害者の場合)、補装具・日常生活用具の給付、グループホームの家賃補助(特定障害者特別給付費)なども受けられます。


デメリットとされるもの(正直に検証)

「手帳を持つと偏見を受ける」

現実:手帳を持っていることは、自分から言わない限り誰にもわかりません。 手帳は提示を求められた場面以外で見せる必要はなく、戸籍や住民票に記載されることもありません。

筆者自身も手帳を持っていますが、取得の理由は正直なところ「映画が1,000円で観られるから」くらいの気持ちでした。手帳を持っているだけで障害者であることを誰かに伝えなければならない場面や義務は一切ありません。提示するのは割引を受ける時だけ。「持ってるだけで何かデメリットがあるんじゃ…」と不安に感じている方は、思っている以上に気軽なものだと知ってほしいです。

「就職に不利になる」

現実:一般枠での就職には影響しません。 手帳を持っていることを一般枠の採用選考で申告する義務はありません。逆に障害者雇用枠という選択肢が増えるので、就職の幅は広がります。

障害者雇用の面接で障害をどこまで伝える?

「更新が面倒」

現実:精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新が必要。これは事実です。 更新には診断書の取得(3,000〜10,000円程度)と役所への申請が必要。ただし、受けられるメリット(年間数万円の節税+各種割引)を考えれば十分に見合います。

障害者手帳の更新手続きガイド

「保険に入れなくなる」

現実:手帳の有無ではなく、「通院歴」や「診断名」が保険審査の対象です。 手帳を取得したから保険に入れなくなるのではなく、精神科への通院歴がある時点で一般の保険の審査は厳しくなります。手帳を取る・取らないに関わらず同じ状況です。

「ローンが組めなくなる」

現実:手帳の有無は住宅ローンの審査項目ではありません。 ローン審査で見られるのは「収入」「勤続年数」「信用情報」です。団体信用生命保険の審査で通院歴が問題になる場合はありますが、これは手帳の有無とは別の問題です。


「取るべき?」判断チャート

Q1. 障害福祉サービス(就労支援・グループホーム等)を使いたい? → はい → 取得を推奨。 手続きがスムーズになる

Q2. 障害者雇用枠での就職を考えている? → はい → 取得が必須。 手帳がないと応募できない

Q3. 税金や交通費の割引を受けたい? → はい → 取得を推奨。 年間数万円の節約になる

Q4. 上記いずれも今は不要だが、将来使うかもしれない?取得しておいて損はない。 使わなければ提示しなければいいだけ


よくある質問

Q. 手帳を取ったら会社にバレる?

バレません。手帳の取得は自治体と本人の間の手続きです。年末調整で障害者控除を申請しなければ会社側が知る手段はありません。控除を受ける場合は確定申告で申請すればOK。

Q. 手帳を返却することはできる?

はい。不要になった場合は自治体に返却できます。精神障害者保健福祉手帳の場合は更新しなければ自動的に失効します。

Q. 障害者手帳と障害年金は別物?

別物です。手帳は「福祉サービスや割引を受けるための証明書」、障害年金は「障害を理由に受け取れる年金」。等級も別々に判定されます。

Q. グレーゾーンでも手帳は取れる?

診断基準を満たし、医師が診断書を書いてくれれば取得できます。まずは主治医に相談してみてください。


まとめ

メリットデメリット(実際は)
税金控除(年間数万円)偏見 → 提示しなければバレない
交通費割引(JR・私鉄50%)就職に不利 → 一般枠には影響なし
公共料金割引(NHK免除・携帯割引)更新が面倒 → 2年に1回。メリットの方が大きい
就労支援サービスが使いやすい保険に入れない → 手帳ではなく通院歴の問題
障害者雇用枠で就職できるローンが組めない → 審査項目ではない

「もっと早く取ればよかった」という声が圧倒的に多いです。 迷っているなら、まずは主治医に相談してみてください。


参照元:

ご注意:この記事の情報は 2026年3月15日 時点のものです。制度の内容は自治体によって異なる場合があります。最新情報は各自治体の窓口にてご確認ください。
障がいHACK編集部
障がいHACK編集部 編集長 TOMI
障がい者グループホームで働きながら、福祉制度・就労支援・暮らしの情報を発信しています。

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