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障害者手帳の申請方法|初めての取得手続きを種類別にわかりやすく解説

公開:2026年3月24日 更新:2026年3月24日 著者:障がいHACK編集部
専門家確認前

「障害者手帳を取りたいけど、何から始めればいいかわからない」

手帳の申請は、初めてだと手続きが複雑に見えます。でも、やることは**「主治医に診断書を書いてもらう」→「役所に申請する」→「届くのを待つ」**の3ステップが基本です。

この記事では、精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・療育手帳の3種類について、初回取得に必要な書類、手続きの流れ、費用、よくあるつまずきポイントを解説します。


まず確認:自分はどの手帳に該当する?

手帳の種類対象等級
精神障害者保健福祉手帳うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害(ASD・ADHD)、てんかんなど1〜3級
身体障害者手帳視覚、聴覚、肢体不自由、内部障害(心臓・腎臓等)など1〜6級
療育手帳知的障害A(重度)・B(中軽度)※自治体で異なる

発達障害(ASD・ADHD)は精神障害者保健福祉手帳の対象です。 「発達障害用の手帳」は存在しないので、精神の手帳を申請します。


精神障害者保健福祉手帳の申請方法

精神の手帳は最も申請者が多く、このページを読んでいる方の多くはこちらに該当するはずです。

申請の条件

  • 初診日から6ヶ月以上が経過していること(これが最重要)
  • 精神疾患があり、日常生活や社会生活に制限があること
  • 年齢制限なし

初診日とは? その病気で初めて医療機関を受診した日です。転院している場合は、一番最初の病院の受診日が初診日になります。

必要書類

書類入手先費用
①申請書市区町村の障害福祉課窓口無料
②診断書(精神障害者保健福祉手帳用)主治医に依頼3,000〜10,000円
③証明写真(縦4cm×横3cm)証明写真機 or スマホアプリ200〜800円
④マイナンバーがわかる書類
⑤本人確認書類(運転免許証等)

障害年金を受給している場合: 診断書の代わりに「年金証書の写し」+「直近の振込通知書」で申請できます。診断書代(3,000〜10,000円)を節約できるので、年金を受給中の方はこちらの方法がお得です。

申請の流れ

ステップ1:主治医に診断書を依頼する

診察時に「手帳の申請をしたいので、診断書を書いてもらえますか?」と伝えるだけ。特別な手続きは不要です。

診断書は「精神障害者保健福祉手帳用」の所定様式です。医師に伝えれば院内で用意してくれます。通常1〜2週間で完成します。

ステップ2:市区町村の障害福祉課に申請する

必要書類を揃えて、お住まいの市区町村の「障害福祉課」(名称は自治体による)に提出します。

窓口で申請書を記入し、診断書・写真・マイナンバー書類を提出。10〜15分程度で終わります。

ステップ3:審査結果を待つ

提出後、都道府県の精神保健福祉センターで審査が行われます。

項目目安
審査期間約1.5〜3ヶ月
結果の届き方郵送で届く
届くもの手帳本体+決定通知書

ステップ4:手帳を受け取る

郵送で届くか、窓口で受け取るかは自治体による。届いた日からすぐに使えます。

費用まとめ

項目費用
申請自体無料
診断書3,000〜10,000円
証明写真200〜800円
合計約3,200〜10,800円

等級の目安

等級日常生活の状態
1級常時援助が必要
2級日常生活に著しい制限がある
3級日常生活・社会生活に制限がある

等級は医師の診断書に基づいて審査で決定されます。「自分は何級になりそうか」は主治医に聞いてみてください。


身体障害者手帳の申請方法

申請の条件

  • 身体障害者福祉法に定められた障害に該当すること
  • 障害が永続すること(一時的な障害は対象外)
  • 「指定医」の診断書が必要(どの医師でもよいわけではない)

必要書類

書類入手先費用
①申請書市区町村の障害福祉課窓口無料
②診断書・意見書(身体障害者手帳用)指定医に依頼5,000〜10,000円
③証明写真(縦4cm×横3cm)証明写真機200〜800円
④マイナンバーがわかる書類

指定医とは? 都道府県知事が指定した「身体障害者福祉法第15条指定医」のこと。主治医が指定医かどうかは、病院の受付で確認できます。指定医でない場合は、指定医のいる病院を紹介してもらってください。

申請の流れ

精神の手帳とほぼ同じです。

  1. 指定医に診断書を依頼 → 1〜2週間
  2. 市区町村の障害福祉課に申請 → 10〜15分
  3. 審査結果を待つ約1〜2ヶ月(精神より早い傾向)
  4. 手帳を受け取る → 郵送 or 窓口

費用まとめ

精神の手帳とほぼ同じで、合計3,200〜10,800円程度です。


療育手帳の申請方法

申請の条件

  • 知的障害があると判定されること
  • 18歳未満:児童相談所で判定
  • 18歳以上:知的障害者更生相談所(名称は自治体による)で判定

必要書類

書類入手先
①申請書市区町村の障害福祉課窓口
②証明写真証明写真機
③母子手帳(あれば)
④通知表・成績表(あれば)

療育手帳は「医師の診断書」が不要です。代わりに、判定機関での知能検査や面接で判定されます。

申請の流れ

  1. 市区町村の障害福祉課に申請(予約制の場合が多い)
  2. 判定機関で面接・知能検査を受ける → 1〜2時間
  3. 結果を待つ → 約1〜3ヶ月
  4. 手帳を受け取る

申請でよくあるつまずきポイント

「主治医に手帳のことを言い出しにくい」

筆者自身も手帳を持っていますが、取得の理由は「映画が1,000円で観られるから」くらいの軽い気持ちでした。医師に「手帳を取りたいんですが」と伝えるだけで、嫌な顔をされることはまずありません。手帳の診断書を書くのは精神科医にとって日常業務です。

「初診日がわからない・カルテが残っていない」

転院を繰り返している場合、最初の病院のカルテが残っていないことがあります。この場合は、お薬手帳、診察券、領収書、健康保険の利用履歴などで初診日を証明できる場合があります。市区町村の窓口で相談してみてください。

「診断書の費用が高い」

3,000〜10,000円は決して安くありません。ただし、手帳を取得すると年間数万円の税金控除や交通費割引が受けられるので、長期的には確実に元が取れます。

障害者手帳のメリット・デメリット完全ガイド

「申請してから届くまでが遅い」

精神の手帳は1.5〜3ヶ月かかります。この間、手帳がなくても福祉サービス(就労移行支援等)は「診断書」があれば利用開始できる場合が多いです。手帳の到着を待たずに動き始めて大丈夫です。

「不服申立てはできる?」

手帳の等級に納得がいかない場合、都道府県知事に対して「審査請求」ができます。申請が却下された場合も同様です。ただし、まずは主治医に相談し、診断書の内容を見直してもらう方が現実的です。


申請後にやるべきこと

手帳が届いたら、以下の手続きを忘れずに。

1. 税金の控除を受ける

年末調整 or 確定申告で「障害者控除」を申請。会社にバレたくない場合は確定申告(会社を通さない方法)で申請すればOK。

手帳のメリット・デメリットで控除額の詳細を解説

2. 自立支援医療(精神通院医療)を申請する

精神の手帳を取得した方は、同時に自立支援医療も申請しましょう。精神科の医療費が3割→1割になります。手帳と同時申請できる自治体が多いので、窓口で「一緒に申請したい」と伝えてください。

現場で見ていると、自立支援医療の制度を知らずに3割負担で通院し続けている方が一定数います。知らないだけで損をしている方が多いです。

3. 携帯電話の割引を申請する

ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルで障害者割引があります。手帳を持ってショップに行くか、オンラインで申請できます。月1,000〜1,900円の割引になります。

4. 障害福祉サービスの利用を検討する

手帳があると利用しやすい主なサービス:

  • 就労移行支援(一般企業への就職訓練)
  • 就労継続支援A型・B型(福祉的就労)
  • グループホーム(共同生活援助)

就労移行支援・A型・B型の違い


よくある質問

Q. 手帳の申請は本人じゃないとダメ?

家族や相談支援専門員などの代理人でも申請できます。委任状が必要な自治体もあるので、事前に窓口に確認してください。

Q. 手帳を取ったことは会社にバレる?

バレません。手帳の取得は自治体と本人の間の手続きで、会社に通知されることはありません。

→ 詳しくは 手帳のメリット・デメリット

Q. 手帳は何歳から取れる?

年齢制限はありません。精神の手帳は初診日から6ヶ月経過していれば、小学生でも申請可能です。療育手帳も乳幼児から取得できます。

Q. 複数の手帳を持つことはできる?

できます。例えば、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の両方を持つことが可能です。

Q. 引っ越したらどうなる?

転居先の市区町村で「住所変更届」を出します。手帳自体はそのまま使えます。

Q. 手帳を取ったけど使わなくなった場合は?

返却できます。精神の手帳は2年ごとの更新があるため、更新しなければ自動的に失効します。

手帳の更新手続きガイド


まとめ

手帳の種類必要な診断書費用(目安)審査期間
精神障害者保健福祉手帳精神科医の診断書3,200〜10,800円1.5〜3ヶ月
身体障害者手帳指定医の診断書3,200〜10,800円1〜2ヶ月
療育手帳不要(判定機関で検査)写真代のみ1〜3ヶ月

手帳の申請は「主治医に診断書を頼む→役所に出す→届くのを待つ」の3ステップ。 初診日から6ヶ月経っていれば、今すぐ動き始められます。

「手帳を取るかどうか迷ってる」という方は、まず主治医に相談してみてください。手帳を持っているだけで何かデメリットがあるわけではなく、使いたい時だけ使えばいいものです。


参照元:

ご注意:この記事の情報は 2026年3月24日 時点のものです。制度の内容は自治体によって異なる場合があります。最新情報は各自治体の窓口にてご確認ください。
障がいHACK編集部
障がいHACK編集部 編集長 TOMI
障がい者グループホームで働きながら、福祉制度・就労支援・暮らしの情報を発信しています。

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