障害年金は誰がもらえる?条件・金額・申請の流れ【2026年版】
「障害年金って自分ももらえるの?」「申請が難しそうで踏み出せない…」
障害年金は、障害のある方の生活を支える最も重要な制度のひとつです。しかし自分から申請しないと一切もらえないため、制度を知らない・申請をためらっている方が多いのが現実です。
この記事では、障害年金の基本、受給条件、金額、申請の流れを整理します。
障害年金の基本
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事に制限がある場合に受け取れる公的年金です。
| 種類 | 対象 | 金額の目安(月額) |
|---|---|---|
| 障害基礎年金1級 | 国民年金に加入していた方 | 約82,000円 |
| 障害基礎年金2級 | 国民年金に加入していた方 | 約66,000円 |
| 障害厚生年金1〜3級 | 厚生年金に加入していた方 | 報酬月額によって異なる |
| 障害厚生年金3級 | 厚生年金に加入していた方 | 最低保障額 約50,000円 |
障害基礎年金には3級がありません。 厚生年金に加入していた(会社員・公務員だった)方は、障害厚生年金として3級まで対象になります。
受給するための3つの条件
条件1:初診日に年金に加入していたこと
「初診日」とは、その病気やケガで初めて医療機関を受診した日です。
- 初診日に国民年金に加入 → 障害基礎年金の対象
- 初診日に厚生年金に加入 → 障害厚生年金+障害基礎年金の対象
- 初診日が20歳前 → 20歳前障害として障害基礎年金の対象(保険料の納付要件なし)
条件2:保険料の納付要件を満たしていること
初診日の前日の時点で、以下のいずれかを満たしていること。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金加入期間のうち、保険料の納付済み+免除期間が2/3以上
- または、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に未納がない
20歳前の初診日の場合は、納付要件は不要です。 学生時代にうつ病を発症した場合なども対象になりえます。
条件3:障害認定日に一定の障害状態にあること
「障害認定日」とは、初診日から1年6ヶ月を経過した日(またはそれ以前に症状が固定した日)です。この時点で年金の等級に該当する障害状態であることが必要です。
等級の目安
精神障害(うつ病・双極性障害・統合失調症など)
| 等級 | 目安 |
|---|---|
| 1級 | 常時介護が必要。日常生活のほとんどに援助が必要 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限がある。一人での外出や金銭管理が困難 |
| 3級(厚生年金のみ) | 労働に著しい制限がある。軽作業程度しかできない |
発達障害(ASD・ADHD)
| 等級 | 目安 |
|---|---|
| 1級 | 社会性やコミュニケーション能力の欠如が著しく、常時援助が必要 |
| 2級 | 対人関係や意思疎通に著しい制限。環境の変化に対応できない |
| 3級(厚生年金のみ) | 社会性やコミュニケーションに制限があり、就労が困難 |
身体障害
障害の部位・程度によって細かく基準が定められています。「障害認定基準」で確認してください。
B型に通所していることは不利にならない? B型は「福祉的就労」であり、一般就労とは区別されます。B型に通っているだけで等級が下がるケースは稀です。
もらえる金額の詳細
障害基礎年金(令和6年度)
| 等級 | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 1級 | 993,750円 | 約82,800円 |
| 2級 | 795,000円 | 約66,200円 |
さらに、生計を維持する子がいる場合は子の加算があります。
| 子の人数 | 加算額(年額) |
|---|---|
| 1人目・2人目(各) | 228,700円 |
| 3人目以降(各) | 76,200円 |
障害厚生年金
報酬月額と加入期間によって計算されるため、個人差が大きいです。年金事務所で試算してもらうのが確実です。3級の最低保障額は年額約596,300円(月約49,700円)。
申請の流れ(7ステップ)
ステップ1:初診日を特定する
その病気で最初に受診した医療機関と日付を確認します。転院を繰り返している場合、最初の医療機関が重要。カルテが残っていなくても、受診状況等証明書を取得できる場合があります。
ステップ2:年金事務所に相談する
お近くの年金事務所に電話または予約して相談。必要な書類と手続きの流れを教えてもらえます。
ステップ3:受診状況等証明書を取得する
初診の医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼。初診の医療機関が廃院している場合は、別の証明方法を年金事務所に相談。
ステップ4:診断書を取得する
現在の主治医に「障害年金用の診断書」を依頼。精神障害の場合は様式第120号の4。診断書の内容が審査の結果を大きく左右するため、日常生活の困りごとを具体的に伝えることが重要です。
ステップ5:病歴・就労状況等申立書を作成する
発症から現在までの病歴、日常生活の状況、就労の状況を時系列で記載する書類。本人(または代理人)が作成します。
ステップ6:裁定請求書を提出する
すべての書類を揃えて年金事務所に提出。障害基礎年金は市区町村窓口でも受付可能。
ステップ7:審査結果を待つ
提出から約3〜4ヶ月で結果が届きます。認定されれば、さかのぼって年金が支給されます。
審査を通すためのポイント
診断書のポイント
日常生活の制限を具体的に書いてもらう。 「調子が悪い」ではなく、「一人で食事の準備ができず、コンビニ弁当に頼ることが多い」「入浴が週2回程度しかできない」など具体的に。
主治医に伝えるべきこと:
- 日常生活で一人でできないこと
- 家事・金銭管理・外出の状況
- 対人関係での困りごと
- 仕事ができない・制限がある理由
病歴・就労状況等申立書のポイント
- 発症から現在まで3〜5年ごとに区切って記載
- 通院頻度、服薬状況、入院歴を具体的に
- 「この時期はこうだった」と状態の変化を明記
- 就労していた期間は、配慮の内容や困っていたことも書く
社労士に依頼するという選択肢
自分での申請が難しい場合、障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼する方法もあります。費用は成功報酬型(年金の2ヶ月分程度)が一般的。申請が通る確率を上げたい場合は検討する価値があります。
なお、障害年金の申請手続きを代行できるのは社会保険労務士(社労士)です。行政書士やケアマネジャー、グループホームのスタッフが申請を代行することはできません。「施設のスタッフが手伝ってくれるだろう」と思っている方もいますが、書類作成や年金事務所への提出は社労士の業務範囲です。施設スタッフができるのは「社労士を紹介する」「申請を勧める」ところまでです。
よくある質問
Q. 働いていても障害年金はもらえる?
もらえます。ただし、就労状況は審査で考慮されます。フルタイムで安定して働いている場合は厳しくなりますが、障害者雇用や時短勤務で配慮を受けながら働いている場合は認定されるケースがあります。B型・A型での就労は「福祉的就労」として区別されます。
Q. 障害年金をもらうと生活保護は打ち切られる?
打ち切られません。障害年金の額が最低生活費を下回る場合は、差額が生活保護として支給されます。
Q. 障害者手帳がなくても障害年金は申請できる?
できます。手帳の等級と年金の等級は別の審査基準です。手帳がなくても年金の受給条件を満たしていれば申請できます。
Q. 申請して不支給になったらどうする?
「審査請求」(不服申立て)ができます。不支給通知を受け取ってから3ヶ月以内に社会保険審査官に対して審査請求を行います。また、診断書の内容を改善して再申請することも可能です。
Q. さかのぼって受給することはできる?
できます。障害認定日に遡って請求(遡及請求)すれば、最大5年分の年金が一括で支給されます。
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 対象 | 病気やケガで日常生活・仕事に制限がある方 |
| 金額 | 基礎年金2級で月約66,000円、1級で月約82,000円 |
| 条件 | 初診日の年金加入+保険料納付+障害認定日に該当等級 |
| 申請先 | 年金事務所または市区町村窓口 |
| 審査期間 | 約3〜4ヶ月 |
| ポイント | 診断書の内容が最重要。日常生活の困りごとを具体的に伝える |
障害年金は「自分から申請しないともらえない」制度です。 B型に通所している方、障害者手帳を持っている方の多くは受給対象になりえます。「自分は対象じゃないかも」と思い込まず、まずは年金事務所に相談してみてください。
参照元:
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件」
- 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件」
- 厚生労働省「障害年金の障害認定基準」
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